結城浩のログ 2014年09月


短歌に関わる自分のツイートまとめ
気ままに言葉を並べるのはとても楽しいですね。古今和歌集をめくったり、青木さんの歌に触発されたり、スクリプトに返歌したり。


















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画面がズームするのを避ける方法

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とやればいい。

「新しい本の企画」
というノートブックには、334個のノートが入っている。

ざっくりいって100〜200冊の「こんな本書いてみたいな」というアイディアである。書くスピードがぜんぜん追いついてない。もっとも、ノートの大半はアイディアの断片に過ぎないのだけれど。

自分が何を考えているか、何に関心があるのかを再確認する意味では大事かもしれない。

結城は自分の活動を「本」という形にまとめるのが好きなのだな、と思う。学んだこと、知っていること、経験したことを「本」にまとめる。そこで一区切り。自分の足場を築く。山を登るベースキャンプのようなもの。途中はいろいろさまよったけれど、まずはここまでは来たかな。そんな気持ちになるのかもしれない。

flipのスクリプトを公開しました。
https://github.com/hyuki0000/flip

数式交じりの文章
「たとえば、$r$を実数とする。そのとき、$r$を二乗した数$r^2$についてどんなことが言えるかな。考えてみよう」
$$
r^2
$$
僕の問いかけに、テトラちゃんは数秒考える。

「$r^2$は、二乗したんだから、$0$より大きくなりますよね …… そういうことですか?」

「いや、違うよ。《$r^2$は$0$より大きい》じゃなく《$r^2$は$0$以上》が正しい。$r = 0$かもしれないからね」

「あっ、そうですね。$r$がゼロだったら、$r^2$もゼロですね。はい、《$r^2$は$0$以上》ですね」

テトラちゃんは、納得したように頷く。僕も頷き、先を続ける。

「つまり、次の不等式は$r$がどんな実数であったとしても成り立つ。そうだよね?」
$$
r^2 \geqq 0
$$
「え? えっと、そうですね。$r$が実数なら、$r^2$はゼロ以上ですね」

「実数$r$はプラスか、ゼロか、マイナス。そしてそのいずれの場合でも二乗すると$0$以上になる。だから、$r^2 \geqq 0$が成り立つ。これは《$r$が実数》といわれたときに注意しておくべき重要な性質だよ。等号が成り立つのは$r = 0$の場合だ」

「あのう……、当たり前みたい、なんですけど」

「そう。当たり前だよね。当たり前のところから出発するのはいいことだよ。じゃあ、ここから少し進んでみよう。$a$と$b$が実数だとしよう。そのとき、次の不等式も成り立つ。いいかな?」
$$
(a - b)^2 \geqq 0
$$
「ええと、え、ええ。そうですね。分かります。$a - b$は実数ですものね。実数だから、二乗したら$0$以上になる。……ちょ、ちょっと待ってほしいんですが、さっきは$r^2 \geqq 0$で$r$って文字を使いましたよね。どうして今度は$a$と$b$を使ったんですか。いつも、こういうところであたし、考え込んじゃって。あたしが考え込んでいると、先生の説明はその間にずっと先まで進んじゃうんです……」

http://www.hyuki.com/girl/

$\sqrt{x}$の定義についての対話
先生「$\sqrt{x}$の定義は何ですか?」

生徒「$x$っていうのは何ですか?」

先生「ここでは$x$は実数だとしましょうか。$\sqrt{x}$の定義は何ですか?」

生徒「$\sqrt{x}$とは、二乗して$x$になる数です」

先生「そうですか?」

生徒「だって、$\sqrt{4}$は$2$ですし、$2$を二乗すると$4$になりますよね」

先生「はい。$\sqrt{4}$は$2$に等しいですし、$2$を二乗すると$4$に等しくなります。でも、$\sqrt{x}$の定義は「二乗して$x$になる数」ではありません」

生徒「?」

先生「$\sqrt{x}$の定義が「二乗して$x$になる数」だとすると、「$x^2 = 4$($x$の二乗イコール$4$)」という二次方程式の解は$\sqrt{4}$つまり$2$ということになります。そうですか?」

生徒「あ、違いますね。$x^2 = 4$の解は、$\pm2$(プラスマイナス2)です」

先生「そうですね。正(せい)の数2と、負(ふ)の数$-2$の二つがあります」

生徒「では、$\sqrt{x}$の定義は、「二乗して$x$になる数」ではなく、「二乗して$x$になる数のうちの正のほう」なのですね!」

先生「そうですか?」

生徒「違いますか?」

先生「$x$が正ならば、あなたの答えで正しいですけれど…」

生徒「$x$が正ならば…。そうか、$x$がゼロのときは、$\sqrt{x}$はゼロですね。「正のほう」という表現ではまずい?」

先生「まずいですね」

生徒「$\sqrt{x}$の定義は、「二乗して$x$になる数のうちゼロか正のほう」ですね!」

先生「そのことはよく、「二乗して$x$になる数のうち負でないほう」と表現します」

生徒「何だか素直じゃない言い回しですね…」

先生「定義としてはここまでで大丈夫です。$x$は実数としましたから…負の数についても考えてみましょう」

生徒「はあ」

先生「実数は必ず、正か、ゼロか、負かのいずれかですから」

生徒「はい…ええと、$x$が負のとき、$\sqrt{x}$は…あれ? 未定義、ですか?」

先生「はい、そうです。実数の範囲だけで考えるなら、$x$が負のとき、$\sqrt{x}$は実数の範囲では存在しません。$x$が負のとき$\sqrt{x}$は未定義といってもいいです。複素数まで考えれば未定義ではありませんけれど」

生徒「$\sqrt{x}$の定義は「二乗して$x$になる数のうち負でないほう」なのですね。そして、$x$が負なら、そのような実数は存在しない」

先生「はい、そうなります。「実数の範囲では」とか「$x$が負なら」といった条件がつくのが、もどかしいですね。でも、もうすこし学習が進んでいくと、美しい形でその条件を取り去ることができます。それを楽しみにしましょう」

生徒「でも、なんだか、ややこしいですね」

先生「$y = \sqrt{x}$のグラフを描いてみると、もう少しわかりやすいかもしれません」


生徒「これは…放物線ですね」

先生「放物線ですけれど、原点及び、$x$軸よりも上の部分が$y = \sqrt{x}$のグラフになります」

生徒「それはどういうことでしょうか」

先生「$y = \sqrt{x}$のグラフをよく観察してみましょう。$x < 0$のとき、グラフに対応する点はありません」

生徒「はあ」

先生「それは、ちょうど、$\sqrt{x}$に対応する実数が存在しないことをあらわします」

生徒「$x = 0$のときは、原点$O$ですね」

先生「はい。原点は、「$\sqrt{x}$は$x = 0$のとき$0$に等しい」ということに対応しています」

生徒「なるほど」

先生「そして$x > 0$のときは、$x$軸より上と、$x$軸より下(そちらは破線で表しています)に、
「二乗すると$x$になる数」があります。上と下とで二つ、ですね。そして、$\sqrt{x}$は…」

生徒「ははあ、$\sqrt{x}$は、上の方ですね」

先生「そうなります。それが「二乗して$x$になる数のうち負でないほう」に対応しているのです」

生徒「なんとなくわかりましたけれど、グラフとの対応はもう一度ゆっくり考えないとわからないです」

先生「はい。ゆっくり考えてください」

まとめ(すべて実数の範囲で考えるとする)

・「二乗すると$x$になる数」は…
$x < 0$ のときは存在しない
$x = 0$ のときは唯一存在する(0である)
$x > 0$ のときは二つ存在する($\sqrt{x}$ と -$\sqrt{x}$ である)
 である。

・「$\sqrt{x}$の定義」は…
二乗すると$x$になる数のうち、負でないほう
 である。

※2014年01月23日の「結城浩の日記」から。
http://www.hyuki.com/d/

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